宮原 輝／FC N.
「左足なら負けない自信がある」
東京都社会人サッカーリーグ1部のFC N.（日本大学サッカー部）に所属するMF宮原輝。大学生活4年間でトップチームの出場機会は得られなかったものの、所属のBチームが主戦とする東京都社会人サッカーリーグ1部では攻撃の中心として活躍し、11月に千葉県で開催された関東リーグ参入戦では準々決勝、準決勝、決勝でゴールを決めるなど、チームを優勝、初の関東リーグ昇格に導く圧倒的なパフォーマンスを見せた。大学での4年間を振り返ってもらいつつ今後の進路について聞いた。
（※インタビューは2023年12月1日に実施）
戦い方の幅が広がった社会人サッカー
──本来、大学サッカー部に入れば、他の大学生たちと戦うことになる。ただ、ご自身は社会人リーグがメインで、社会人と戦うことが多かった。そこはどんな経験になったか。
「3年生の時から社会人を相手にサッカーをやってきて、大学生とは違う戦い方、毎回相手がどういう戦い方をしてくるかわからない試合が多かったです。その分、試合が始まって、みんなで分析して、相手が何をしてくるかを考えながらサッカーをするということを学べました。大学生の場合だと、比較的パワフルにどんどん前に仕掛けてくることが多いですけど、社会人の場合は身体が大きかったり、横につないでから縦に蹴ってきたりと、何をしてくるかわからない。相手がこういった時はこうした方が良いというような、戦い方の幅はずいぶんと広がったと思います」
──印象に残っている試合は。
「3年生の時に全社関東予選決勝で戦った南葛戦。早い時間に先制しながら、後半に2点を取られて逆転負けしました。自分的にも納得のいくパフォーマンスを出せなかったですし、おそらく出場した選手全員が自分と同じようにインパクトを残せなかったと思っているはずです。あの試合から全員がもっとやらなくてはいけないと感じて、それを練習の時から表現できたというのが、結果的に今回の昇格につながったのかなと。長い期間になりましたが、あの試合がひとつのターニングポイントになったと思っています」
サッカーを続けたい気持ちがまだある
──改めて大学での4年間を振り返ると。
「最後に関東大会で優勝して昇格という結果を残せたのは、チームとしてすごく良かったと思います。個人としてもチームのためにゴールを決めて勝利に貢献することができたので良かったです。ただ、4年間全体を通して考えてみると、トップチームで試合に出られなかったという思いが一番強いので、自分のウィークポイントを補えなかったという課題の残る4年間でした。もちろん最後の関東大会は一人ひとり、全員がハードに戦わないと勝てない試合でしたし、自分自身も守備のところで絶対に穴にならないように心がけました。そこは最後の4試合、成長ではないですけど、最低限自分ができたところだったのかなと思います」
──今後の進路について、現状はどのように考えているのか。
「自分はまだサッカーを続けたいという気持ちがあるので、関東昇格戦が終わってから何チームか練習参加をさせてもらいました。今後もいくつかのチームに参加させてもらう予定です。練習参加したことで、より自分の中でサッカーを続けたい気持ちが強くなり、なるべく上のレベルで出来るように頑張りたいと思います。そこから少しでもステップアップして、最終的にはプロにたどり着けるように頑張りたいと思います」
──本来、日大のBチームの選手たちは、ほとんどが就職の道に進むのか。
「基本的にサッカーを続けたいと思う選手は少なくて、やはり自分がBチームにいるということを自覚していての判断だと思います。トップチームにいないと、プロのスカウトにも声をかけてもらえないですし、サッカーというツールを使った進路が途絶えてしまうので、基本はみんな早い段階で就職活動して、そこから大学生活の最後のサッカーを頑張ろうという選手が多いです。なので、自分のようなケースは珍しいといえば珍しいです」
──ご自身の中にまだできるという自信も当然ある。
「自信は持っていますし、やはり自分の左足はここまで多くの人に評価してもらってきて、左足なら絶対に負けないという強い自信があります。その強みを継続しつつ、それと並行して自分のウィークポイントも当然どこに行っても見られるわけで、きちんと補っていかなくてはいけないと思っています」
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PROFILE
宮原 輝 MF／FC N.
2001年生まれ。東京都出身。
横浜FCの下部組織で育ち、ユース時代は10番を背負い活躍も3年時にケガの影響で長期離脱。日本大学サッカー部に入部後は主に東京都社会人サッカーリーグ1部に所属するFC N.（日大サッカー部Bチーム）でプレー。今季は5得点7アシストの活躍でリーグ2位に入り、東京2位で出場した関東リーグ参入戦では準々決勝、準決勝、決勝でゴールを決め、チームの優勝、初の関東リーグ昇格の原動力となった。左足を使ったドリブル、パス、キックが持ち味で、特に正確なミドルシュート、FKが武器。
